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小説「絡新婦の理(1)(2)(3)(4)」 京極夏彦

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毎日の電車の中と、週末のミスドで読みつづけてやっと読破。
ひさしぶりに自分を誉めてあげたいw
最近まで本を読む習慣なんて殆どなかったからなぁ。
まさか自分がこんな本を読むだなんてまったく思ってもなかったです。


さてこの絡新婦の理という物語。京極夏彦という方の著書なんだけど、とにかく長い! 今回読んだ小説は、京極さんの小説の中でも長編にあたるのかな? 今回は分冊文庫を読んだんだけど、元々は1冊の本。ちなみに文庫本なのに厚さが5cmくらいある。こんなの、「そういった機会」がないと一生読む機会がなかっただろうなぁ…。


この本も基本的にはサスペンス系にあたるのかな?
やってることは金田一みたいな推理系。でも本質はそこにあるんじゃなくて、京極堂の言葉にもあるように、「世の中に不思議なことなどはないのだよ」ってトコにあるみたい。


別々の場所で起こった、一見まったく因果関係のなさそうな猟奇殺人。その点と点が合わさったときに新たな真実を知ることになる…という話。
「絡新婦の話に準えてるんだろうなぁ」って思ってたから、ある程度までは推測できたんだけど、人物の関係が複雑に絡み合ってるから、話を追うだけでも一苦労。


それにしても京極堂と中禅寺はかっこよかった! それぞれ仕種に特徴があって、人間味溢れてる。木場修も、ガサツなんだけど言葉のないところに男独特のやさしさが感じられる。普段から悪態を言い合ってはいるんだろうけど、本当に信頼しあってるんだなぁと思えたな。


京極夏彦の「京極堂シリーズ」は、ストーリーテラーが関口ってなってるらしいけど、絡新婦の理では関口は一番最後にしか出てこない。たぶん本作品(特に序盤)は益田元刑事が関口の役割を担っているんじゃないのかな。終盤になるにつれて絡みがなくなってきたけど…w


それにしても一番最後の「あなたが――蜘蛛だったので すね」というフレーズ。それまでの穏やかな情景にまったく反比例した内容だったので、ゾッとしました。


でもなんで「あのヒトが蜘蛛」なんだろ。
「予想を裏切られたぁ~!!」って思ってたんだけど…。
さらに奥が深かったのかなぁ(´-ω-`;)
by clust-ichi | 2007-03-28 15:08 | 書籍
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